病的肥満と減量手術+糖尿病の外科治療

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surgical therapy in diabetes

肥満と糖尿病の手術治療でつながる世界の内視鏡外科医!アジア、オーストラリア、ニュージーランドが合同で会議・・21世紀の奇跡のために・・・

減量手術、代謝手術の最新知見を求めて南半球へ

IFSO-APC OSSANZ 2009 Cairns

Hilton CarinsHIlton Cairns成田空港を20時に離陸したJetStarのエアバスA330は2009年3月25日の午前4時半にオーストラリア北部東海岸のケアンズ国際空港へ着陸した。さすがにあたりはまだ薄暗く明け方というのに気温と湿度の高さを感じた。オーストラリアに"コアラのマーチ"をお土産にと思いボストンバッグに忍ばせておいたが荷物検査で指摘されて没収となった(汗)。オーストラリアには全ての食品の持ち込みはダメらしい・・。日本から一緒に来たKazuと空港ターミナルを出ると数多くの鳥のさえずりというよlagoonEsplanade Lagoonり大きな鳴き声に出迎えられた。Black&White のタクシーで学会場のホテルまで向かう。タクシーはハイブリッドであり環境への配慮が感じられた。学会は午後からなので午前中はあたりを散策しチープで美味いBreakfastを摂った。

今回の旅の目的は病的肥満に関する最新の知見を得ることである。あとで知ったのだがこのある意味マニアックな国際会議には230人の外科医が参加したとのことであった。3月25日午後からはカンファレンスがヒルトン・ケアンズの会議室で行われた。今回の会議はIFSO-APC OSSANZ(イフソー・エーピーシー・オッサンズ)という名前の減量手術・代謝手術がテーマである。分かってるとは思うか”オッサンTimes Sqpuareconference hilton cairnsズ”とはいってもおじさんの集まりではない(冷汗)。これは世界肥満代謝外科学会のアジア部会である中東、インド、マレーシア、シンガポール、インドネシア、香港、台湾、韓国、中国、日本などの国や地域とオーストラリアとニュージーランドの肥満外科学会のジョイントミーティングとなっている。これらの地域は人種的な差異を考慮する必要はあるものの、東半球で地理的にもあまり離れてはいないため地域固有の問題を話しあえる可能性がある。肥満は先進国、途上国、北半球、南半球を問わず地球上で急速に蔓延しつつある慢性疾患であり多くの人々の健康障害をもたらしている。しかも、運動や食事療法などのようないわゆる”保存的””内科的”治療には抵抗性のことが多く手術治療のifso ossanzExecutive みが有効であることが分かっている。歴史的にいろいろな手術方法が開発されては淘汰されていった。現在は”バンド”、”胃バイパス”、”スリーブ”、”十二指腸バイパス”が主な選択肢となっている。オーストラリアやニュージーランドでは『バンド』つまり『腹腔鏡下胃バンディング術』が圧倒的に多く行われており、米国などで多く行われている胃バイパス術はかなり少数しか行われていないようである。しかも、オーストラリアでのバンドによる病的肥満やそれに伴う代謝手術(糖尿病を手術で治療する)の治療成績は非常に良好であり、多くの学術論文が発行されいわゆるエビデンスが蓄積されている。

さて、1日目の会議ではIFSO-APCの会議であった。のプレジデントHarry Frydenberg(オーストラリア)、そしてIFSOのプレジデントのMal Fobi(アメリカ)からの基調講演の後に、参加国(地域)の代Kazunori KasamaKazunori Kasama Japan表からそれぞれの国(地域)の肥満の現状、手術治療や国内の状況についての報告があった。インドからはPradeep Chowbey,日本からはIsao Kawamura(川村功)、香港からはEnders Ng,アラブ首長国連邦からはFawaz Torabがプレゼンをおこなった。同じアジアといってもアラブやインド、香港・台湾・韓国・日本などでは社会的・人種的な差異はかなりあり一色胆に扱うことは容易でないことを感じた。

2日目の会議では アジアだけでなくOSSANZ(オセアニア)からのプレゼンも多く行われた。病的肥満Chih-Kun HuangChih-Kun Huangに対する様々な外科治療に関する研究発表が数多く行われた。OSSANZからはやはり『バンド』に関する発表がかなりの割合を占めていた。午前中のプレゼンで注目に値したのは台湾のChih-Kun Huangの行ったビデオプレゼンテーションであった。腹腔鏡下スリーブ胃切除、バイパスなどを一つの傷で行っていた。ただでさえ難しい高度肥満の患者さんの手術をたった1つの切開で腹腔鏡手術を行うことは高度なテクニックを要する。プレゼンのテクニックも素晴らしくかなりアトラクティブであった。
午後からはオーストラリアからあのJohn Dixonが手術で糖尿病の治療をするMetabolic SurgeryについMuffyMuffyてのプレゼンがあった。インドからはMuffazal Lakdawala(Muffy)が現在インドにおいても急激に増加している糖尿病を手術で治療する代謝手術についての講演があった。そして日本からはKazunori Kasama(笠間和典)プレゼンがあった。アジア人と非アジア人での肥満手術による治療効果が違うかということについての研究発表があった。プレゼンの冒頭では会場の聴衆を爆笑の渦に巻き込んでいたのが印象的であった。
その後も興味深い発表が数多く行われた。
夜からは北アジアの仲間で集まり夕食を摂りながら親交を深めた。台湾のChih-Kun Huang夫妻、香港系PaulO'BrianPaulO'Brianオーストラリア人のKen夫妻、香港からはEnders、日本からは笠間和典と稲嶺進、そしてマレーシア、北欧のDrも一緒になった。いろいろな話をしながら、みんなでカンガルーのステーキやクロコダイル(ワニ)のソーセージ他オーストラリアでしか味わえない珍味?にもトライした。意外と美味しかったことを報告しておく。最終日の午前のセッションを全て聞いた後は、時間があったので現地のツアーに参加した。ケアンズの自然に触れるツアーで野生のカンガルーやワラビー、カモノハシ、エリマキトカゲ、そして夜行性の動物であるポッサムに出会うことも出来た。そして何より(野生ではないが)コアラをじかに抱っこすることができたのは40代中盤のOSSANになってもなにか楽しくなった(汗)。ケアンズはバリアリーフなどの海が何より素晴らしいらしいが今回は残念ながら海のものHarry FrydenbergHarry President IFSO-APCに触れることはできなかった。夜も曇り空であり残念ながら南十字星を見ることはできなかったので次回の楽しみとしたい。

今回のケアンズの訪問では減量手術、代謝手術の最先端に触れることができたこと、初めての南半球へ訪問し自然に触れられたことは素晴らしい経験だった。でも、最も大きな収穫は同じ夢に向かっている異国の仲間たちと知り合うチャンスに恵まれたことだと思う。まだまだ産声を上げたばかりのmetabolic surgery・・でも数年もしないうちに日常の診療となって行くかもしれない。肥満ととともに増え続ける糖尿病、その合併症により複数の臓器が破壊され幾多の命が失われる。もし、たった1回の手術で糖尿病が治せるのならどんなに素晴らしいことだろう・・・。いま、その歴史が作られる現場を間近で見られることは本当にエキサイティングであると感じている。
3月28日、晴れたケアンズ国際空港をエアバスは飛び立った。数分後、眼下にはどこまでも澄み渡った青い海が広がっていた。あれがグリーン島か・・そしてバリアリーフ、いつまでも残しておきたい地球のKongolooKongoloo自然・・そして人もその自然の中だけで生きていける。医療は病気という”自然”と戦わなければならないがそれはまた、まだ解き明かされていない体内の自然の摂理を解き明かす過程でもある。(2009.3.28)